【今まで作品を見てくださったすべての方へ】
長い間ありがとうございました。 完全に自分の描きたいものを好きなときに描いているだけだったのですが、ありがたいお言葉をたくさんいただき、見てくださる人数がどんどん増えていって、常に恐縮していました。 自分の実力以上にいろんな方に声をかけていただけたのは、ひとえに弥勒と珊瑚のキャラクターの力でした。 自分の作品を通して、「この二人、いいよね…」と言っていただけるのが一番幸せでした、おたくは自分の推しが褒められるのが大好きなので……。
個人的に創作活動というのは完全に孤独なものだと思っているのですが、たまたま趣味嗜好があう方々と道が交わって、交流したり、合同誌に参加させていただいたりして、ぜいたくな時間でした。 またひとりで作品を作る道に戻ろうと思います。
弥珊はこれからもずっと死ぬまで好きです。
ありがとうございました。
またどこかで道が交わったらお会いしましょう。
アエル
【「弥珊じゃなくてもお前の作品を見てやるよ」という方へ】
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某漫画賞を受賞し、今後はプロの漫画家を目指して頑張っていく予定です。 今後の活動につきましては、以下のTwitterアカウントにて発信していきますので、応援していただけたら嬉しいです。
【新しいTwitterのアカウント】
私はあんまりサブカルチャーに寛容でない環境に生まれました。 漫画を読んだりアニメを見たりしていると「オタク…」と指をさされるので、隠れて見ていました。 ほんのわずかな親しい友人以外には「漫画を描きたい」と言えませんでした。 こっそり描いては全て捨てていました。
本当は美術の勉強をしてみたかったんですが、親にも先生にも言う事ができず、またそこまでの強い意志もなく、大学は文学部を受験しました。 文学部でたくさんの物語に触れたことは、その後の創作の種をまくことになったので、よかったです。
大学進学を機に一人暮らしを始めてから、アルバイトをしてペンタブを買い、漫画を描き始めました。 初めてTwitterに漫画を投稿したとき、既に成人していました。 下手だったんですが、Twitterで出会った人がみんな優しかったので調子に乗って描き続けました。
就職して数年、ようやくお金に余裕ができた頃、油絵を習いに絵画教室へ通ってみました。 そこで出会った西洋画家のA先生に、 「あなたの絵はなかなかいいから、たくさん描きなさい」と言っていただき、 「へー、私の絵ってなかなかいいんだ」と思いました。 もしかしたら、高校生のときにちゃんと絵が描きたいと言えていたら、絵の仕事をしている道もあったのではないかと、その時初めて考えました。 25歳になっていました。
その直後結婚して子供を産んで、さすがに漫画を描くのやめたほうがいいかなと思ったんですが、パートナーが「描きなよ」と言ってくれたので描きました。 産後の3時間睡眠の時でも起き上がって漫画を描いていたので、怖がられていたのかもしれないです。
二人目の子供を妊娠しているとき、月刊誌の漫画賞に投稿してみようと思い立ちました。 期限を決めて挑戦してみることにしました。 上の子供の世話もあるので、寝かしつけをして一緒に寝落ちた後、深夜2時くらいに起き上がって、明け方まで漫画を描く生活をしばらく続けました。 これは目とかに負担がかかるのでやめた方がいいです。
一か月後、受賞の電話がかかってきました。 絵を描くのをやめようとしたときに、絵の道に引き戻してくれた作家さんのいる大好きな雑誌だったので、嬉しかったです。 受賞作について編集さんと電話で打ち合わせをした3日後に、二人目の子供を産みました。
受賞即育休みたいな最悪の状況だったんですが、担当さんには根気よく付き合っていただきました。 一年以上かけて一本の読み切りを完成させてデビューしました。
デビュー作が雑誌に載っているのを見たとき、下手くそすぎてびっくりしました。 他の新人さんと比べても明らかに下手なのでした。 でも、自分が下手なのに気づいて、やっとスタートラインに立った気がしました。 のびしろがあると思うことにしました。去年のことです。
まだまだ全然思ったように描けなくて、でもそれは当然のことで、オリジナルの漫画を描くことに関してはずぶの素人だということを思い知らされる日々です。 新しいことを始めるのは本当に本当に大変です。毎日悔しくてメラメラしています。
現代はロールモデルなき時代と呼ばれていて、私もこういうあんまり前例がない経緯で走り出してしまったので、家族や編集部の方に手を貸していただきつつ暗中模索、なんとかやっているという感じです。 不安になるときもあるんですが、型にはまらず、自分で道を切り拓いて進んでいいというのはなんだか自由で良いなあとも感じています。 絵を描き始めるまでずいぶん遠回りしましたが、何かを始めるのに遅すぎるということはないし、選んだ道は正しかったのだと、他の誰でもない自分自身に証明したいのだと思います。
デビューする前に、担当さんに「漫画は一生をかけるに値する仕事です」と言ってもらったことがあって、これは本当にそうだなと思います。 世の中には、物語を必要としない人もいてびっくりするんですけど、少なくとも私には生きるのに必要不可欠なものでした。 私が、生まれた土地で好きなことができなかったように、現在いる環境と自分のなりたい姿の距離が果てしなく遠かったりして、苦しんでいる人ってたくさんいると思うのですが、そういうときに寄り添ってくれる物語を描くのが今の目標です。
田舎にいて自由に絵を描けなかったとき、よく指で空中に線を描いていました。 あんまりよくない癖なのですが、今も時々やってしまいます。 iPadでいつでも絵が描けるようになって多少よくなりました。 描き続けてよかったなと思います。
漫画が描けて嬉しいです。ありがとうございます。 描き続けられたのは読んでくださるみなさまのおかげです。 もっとたくさん描きたいです。
2023年5月9日 アエル 改め 古田
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